宇坪正敏の制度 徹底解説

個人事業主・起業家が事業を継続できるよう、守りの経営に役立つ情報提供を志命としています。あなたのビジネスにどのような公的制度が活用できるのか、分りやすくお伝えします。

はじめに

はじめに

 

私の母は6人きょうだいの3番目として生まれました。姉2人と妹、その下に2人の弟に恵まれた、やや子供が多めの一般家庭でした。

 

ただ、その幸せな環境は長くは続きませんでした。小学校4年生の時、父が突然病気で亡くなってしまったのです。そして母の母(つまり私から見ると祖母)が、女手一つで6人きょうだいを育てることになりました。朝から晩まで働き、それでも経済的に苦労したことは容易に想像できます。きょうだいも助け合って、がんばって生きていました。

 

そして、中学に進学し、母は将来の夢として看護師に憧れるようになり、祖母に相談しました。ただ、この困窮した生活の中では、残念ながら叶わぬ夢だったのです。母は高校進学の道とともに、将来の夢を諦めました。

 

社会に出て学歴がないことを理由に、職場で高卒や大卒の人にいじめられ、つらい思いをすることも少なくなかったようです。そんな母は自分の経験を踏まえ、私には学歴の大切さを小さいころからずっと伝えてくれていました。私立高校、大学、大学院と進んだ私は、決して優秀な子供ではありませんでしたが、念願かなって国家公務員となりました。国家・国民のために一生懸命働くことができる、そんな充実した役人生活でした。

 

そんなある日、個人株主として、株主総会で熱い夢を語る経営陣の方々のお話を聞く機会がありました。当時上場したてのベンチャー企業でしたが、自分たちが業界を変革したい、そのためにも応援して欲しい!と熱い想いがひしひしと伝わってきました。そこで改めて、社会にとっての起業家の重要性を再認識しました。

 

とはいえ、起業家に悩みはつきものです。特に創業してすぐの時には、ヒト・モノ・カネ・情報 等々 悩みは尽きません。なかでも、お金があれば解決できるのに・・・ということが多いのも、世の常です。

 

私自身も個人として起業した時、実際そうでした。売り上げや資金繰りが頭をよぎるのは、個人事業主であれば、誰しも経験したことがある人が多いのではないでしょうか。サラリーマン時代、アメリカのシリコンバレーに会社を創って現地法人の社長をしていた時や、経済産業省にいた時とは全く違う種類のプレッシャーでした。

 

守りの経営

 

私は現在、経営者•従業員のご家族が、今の生活を安心して続けることができる社会を創ることを志命として、仕事に取り組んでいます。


会社にとって、売上をどう拡大していくかはとても重要な視点です。一方で、後回しになりがちなのが、出費です。ただ、実はこちらも同じぐらい重要です。例えば、利益率が2%の企業にとって、200万円のコスト削減は、1億円の売上をあげることと同じ影響を会社に与えます。

 

減らせる出費は少しでも減らしたい、そんな中で思うのは、実は公的助成(と言うと言葉が固いのですが、補助金助成金のように返さなくてもいいお金やサービス、税制上の優遇措置など)を使って、会社のお金をしっかり守る方法を、ご存じない方が多いのです。

 

 (つづく)